「ゆっくり動く」― ルーブルで腑に落ち始めたこと
カンヌ映画祭が開催されている時期に、友人たちと4人でパリとカンヌに滞在してきました。
ルーブルで一人になって、初めて「自分の感覚」で選べた
パリに到着した翌日、一人でルーブル美術館に行きました。
誰かと一緒ではなく、一人で。 行きたい場所に行き、見たいものを見て、どれだけ立ち止まっていても、誰にも気を使わなくていい。
その感覚が、思っていたより、ずっと心地よかったのです。
ずっと見たかったものの前に立った
当日は自分の誕生日で、
日本でこれだけしたいと決めてきたこと
それが『サモトラケのニケが見たい』でした。
なぜか
ずっと見たかったサモトラケのニケ。
遠くに立つその姿を見つけた瞬間、胸の中で何かがひらいたような感覚がありました。 舳先に立つ姿、あの時代の曲線の美しさ。 光の当たり方も含めて、ただ見ているだけで満たされていました。
その後も、特に計画はありませんでした。 「なぜかわからないけど気になる」というものの前に、自然に足が向いていました。
すべてを見ようとしなくていい。 自分が感じるものだけを、感じたいだけ見ていればいい。
日常では、考えて動いていた
日ごろ、私はよく「考えて」動いています。 どうすべきか、何が正しいか、周りはどう思うか。
でも、考えている間は、自分が「何を感じているか」が後回しになっています。
ルーブルでの数時間は、それがなかった。 感じたものに従って動く、というシンプルなことを、久しぶりに体験した時間でした。
自分の感覚で選ぶ、ということ
私自身は、日本を離れ海外に来ると
身体が楽になる感じがします。
それはきっと、「こうあるべき」という空気から、少し距離が置けるからかもしれません。
自分の感覚で選ぶ、ということ。 旅の中でそれを取り戻せたことが、今回の大きな収穫のひとつでした。
自分では気づかないうちに、感覚より思考を優先することが「普通」になっていたのかもしれません。
ゆっくり動く という意味
メンターたちから言われてきたこと
「ゆっくり動く」
その意味が腑に落ち始めた旅の始まりでした。